アサーションとは?自分も相手も大切にした伝え方を公認心理師が解説

コミュニケーションスキル
アサーションとは?自分も相手も大切にした伝え方を公認心理師が解説

こんにちは、しゅがーです。

「本当はNoと言いたいのに、また引き受けてしまった」
「自分の意見を言おうとすると、なぜか罪悪感が生まれる」
「相手を傷つけずに自分の気持ちを伝える方法が分からない」

そんな経験、ありませんか?

コミュニケーションで悩む多くの方が抱えているのが、「自分の気持ちをうまく伝えられない」という悩みです。

私は公認心理師・社会福祉士として医療現場での相談支援に携わり、転職支援のキャリアアドバイザーとして多くの方の職場の悩みと向き合ってきました。その経験の中で、コミュニケーションの悩みを抱える方のほとんどが知らなかったスキルがあります。

それがアサーションです。

アサーションとは「自分も相手も大切にした自己表現」のことです。

自分を押し殺すでもなく、相手を傷つけるでもなく、誠実に自分の気持ちを伝える技術です。今回はアサーションの基本から具体的な使い方まで、公認心理師の視点から分かりやすく解説します。

目次

  1. アサーションとは?
  2. 3つのコミュニケーションタイプ
  3. アサーションが必要な理由
  4. アサーションの基本テクニック
  5. 場面別アサーション例文集
  6. 今日からできる1アクション
  7. まとめ

アサーションとは?

アサーション(Assertion)とは、1950年代にアメリカの心理学者ジョセフ・ウォルピが提唱した概念で、日本では平木典子先生によって広く普及しました。

日本語では「自己主張」と訳されることが多いですが、単なる自己主張とは少し異なります。

【アサーションの定義】
自分の気持ち・考え・意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実・率直・対等に表現すること

ポイントは「自分も相手も大切にする」という点です。自分を犠牲にするのでも、相手を攻撃するのでもない。この両立がアサーションの本質です。

3つのコミュニケーションタイプ

アサーションを理解するために、まず3つのコミュニケーションタイプを知ることが大切です。

タイプ 特徴 問題点
非主張型(ノン・アサーティブ) 自分の気持ちを抑えて相手に合わせる 自分が消耗・ストレスが蓄積する
攻撃型(アグレッシブ) 自分の意見を一方的に押し通す 相手を傷つける・関係が悪化する
アサーティブ 自分も相手も大切にして伝える ✅ 長期的な信頼関係を築ける

コミュ障の方の多くは非主張型に該当します。特にカメレオン型・ハリネズミ型の方はこの傾向が強いです。

非主張型のコミュニケーションを続けると、表面上は穏やかな関係が保たれますが、内側にはストレスと不満が蓄積し続けます。そしてある日限界を超えた時に、一気に攻撃型に転じてしまうことがあります。

アサーションはこの悪循環を断ち切るためのスキルです。

アサーションが必要な理由

「自分を抑えて相手に合わせることが思いやりではないのか」と思う方がいます。

しかしアドラー心理学の観点から考えると、過度な自己犠牲は相手への本当の思いやりではありません。

理由は3つあります。

理由① 自分を抑え続けると関係が歪む

Noと言えずに引き受け続けると、表面上は良い関係に見えます。しかし内側には「また我慢した」という不満が積み重なります。この不満は必ずいつか関係に影響します。

理由② 相手は本音が分からない

自分の気持ちを伝えなければ、相手はあなたの本音を知ることができません。「察してほしい」という期待は、多くの場合すれ違いを生みます。

理由③ 誠実に伝えることが相手への最大の敬意

相手を大人として尊重するなら、本音を伝えることが誠実な態度です。Noを伝えることは相手を傷つけることではなく、相手を信頼しているからこそできる行動です。

アサーションの基本テクニック

① I(アイ)メッセージを使う

アサーションの基本は「私は〇〇と感じています」というIメッセージを使うことです。

YOUメッセージ(攻撃型) Iメッセージ(アサーティブ)
「あなたはいつも遅刻する」 「時間通りに来てもらえると、私は安心します」
「あなたの言い方はひどい」 「その言葉を聞いて、私は傷つきました」
「なんでやってくれないの」 「〇〇をやってもらえると、私はとても助かります」

YOUメッセージは相手を主語にするため、相手は責められたと感じ防衛反応が起きます。Iメッセージは自分の感情を主語にするため、相手が受け取りやすくなります。

② DESC法を使う

DESC法は、アサーションを実践するための4ステップの構成です。特に職場での場面で効果的です。

ステップ 内容
D:Describe(描写する) 状況を客観的に描写する 「今日も残業を頼まれましたが」
E:Express(表現する) 自分の気持ちを伝える 「今週は毎日残業が続いていて、私は少し疲れを感じています」
S:Specify(提案する) 具体的な提案・要望を伝える 「今日は定時で上がらせていただくことはできますか」
C:Choose(選択する) 相手の返答に対応する 「もし難しければ、優先順位を教えていただけますか」

③ 「クッション言葉」を使う

アサーティブな伝え方をする時に、最初にクッション言葉を入れると相手が受け取りやすくなります。

おすすめのクッション言葉

「おっしゃることはよく分かります。ただ…」
「ありがとうございます。少し確認させてください…」
「ご期待に沿えず申し訳ないのですが…」
「難しいお願いで恐縮なのですが…」

場面別アサーション例文集

断る場面

❌ 非主張型:「えっと…大丈夫です(本当は嫌だけど)」
❌ 攻撃型:「なんで私ばかりに頼むんですか」
✅ アサーティブ:「今週はすでに複数の業務を抱えていて、余裕がない状況です。今回はお受けするのが難しいのですが、来週でしたら対応できます」

意見を言う場面

❌ 非主張型:「どちらでもいいです(本当は違う意見があるけど)」
❌ 攻撃型:「その意見は間違っています」
✅ アサーティブ:「おっしゃることはよく分かります。一方で私は〇〇という考えもあると思っていまして、いかがでしょうか」

気持ちを伝える場面

❌ 非主張型:「別にいいです(本当は傷ついているけど)」
❌ 攻撃型:「あなたのせいで傷ついた」
✅ アサーティブ:「先ほどの言葉を聞いて、私は少し辛く感じました。もし可能であれば、今後は〇〇していただけると嬉しいです」

頼む場面

❌ 非主張型:「忙しいのに悪いし、一人でやろう(無理なのに)」
❌ 攻撃型:「手伝ってくれないと困ります」
✅ アサーティブ:「難しいお願いで恐縮なのですが、〇〇の部分を手伝っていただくことは可能でしょうか。もし難しければ、他の方法を一緒に考えたいです」

今日からできる1アクション

アサーションは一度で完璧にできなくて大丈夫です。小さな場面から少しずつ練習することが大切です。

今日、「どちらでもいいです」と言いそうになった場面で、自分の気持ちを一言添えてみる。

ランチのお店を選ぶ時、飲み物を選ぶ時、どんな小さな場面でも構いません。「私は〇〇がいいです」とひと言添えるだけでいいです。これがアサーションの最初の一歩です。

まとめ

アサーションについてまとめます。

項目 内容
アサーションとは 自分も相手も大切にした自己表現
基本テクニック① Iメッセージ「私は〇〇と感じています」
基本テクニック② DESC法の4ステップ
基本テクニック③ クッション言葉で相手が受け取りやすくする

アサーションは才能ではなくスキルです。練習すれば誰でも身につけることができます。

自分の気持ちを伝えることは、わがままではありません。自分を大切にすることと、相手を大切にすることは矛盾しません。

今日から少しずつ、自分の気持ちを言葉にする練習を始めてみてください。

📖 断れない・本音が言えないカメレオン型の方はこちら
→【🦎カメレオン型の記事への内部リンク】

📖 職場の人間関係で悩んでいる方はこちら
→【職場で嫌いな人との付き合い方記事への内部リンク】

📖 コミュ障のタイプを知りたい方はこちら
→【コミュ障4タイプ記事への内部リンク】

コメント

タイトルとURLをコピーしました